mRNA封入脂質ナノ粒子(mRNA-LNP)技術の概要
mRNA封入脂質ナノ粒子(mRNA-LNP)技術は、mRNAを細胞内へ効率的に送達するために開発されたドラッグデリバリーシステム(DDS)です。mRNAの分解防止や細胞内移行効率の向上を可能にすることで、ワクチン開発やがん免疫療法、遺伝子治療など幅広い分野での応用が進んでいます。

mRNA封入脂質ナノ粒子(mRNA-LNP)の構成と役割
mRNA成分
mRNAは、細胞内で目的のタンパク質を発現させるための設計図として機能します。ワクチン用途では抗原タンパク質、治療用途では治療標的タンパク質をコードしたmRNAが使用されます。
脂質ナノ粒子(LNP)キャリア
LNPはmRNAを物理的に保護し、細胞内への送達を担うキャリアであり、複数の脂質成分を組み合わせて設計されます。
- イオン化脂質:mRNAとの相互作用およびエンドソーム脱出を促進
- コレステロール:粒子構造の安定性向上
- リン脂質:脂質二重膜構造の安定化
- PEG修飾脂質:粒径制御および血中安定性の向上
mRNA-LNP技術の主な応用分野
- 感染症およびがんに対するmRNAワクチン開発
- がん免疫療法・核酸医薬研究
- 希少疾患を対象とした遺伝子治療
- CRISPR-Cas9など遺伝子編集ツールの送達
mRNA封入脂質ナノ粒子(mRNA-LNP)の製造工程例
- DNAテンプレート設計および合成(PCR等)
- in vitro転写によるmRNA合成
- mRNAの精製および品質評価
- 脂質溶液の調製(脂質モル比調整・有機溶媒溶解)
- mRNA水溶液の調製
- マイクロ流体混合によるmRNA-LNP生成
- 生成後のmRNA-LNP精製(透析または超遠心分離)
マイクロ流体を用いたmRNA-LNP生成
マイクロ流体ポンプを用いて、脂質溶液とmRNA溶液を例えば脂質:mRNA=1:2.5(v/v)の流量比でマイクロ流路チップへ送液し、流路内で高速かつ均一に混合することでmRNA封入脂質ナノ粒子が形成されます。
マイクロ流体技術によるmRNA-LNP生成の特長
- 粒子サイズ分布の均一化(低PDI)
- 高いmRNA封入効率
- 高再現性・条件制御性
- 少量サンプルでの条件検討が可能
- 安全性および作業効率の向上
脂質ナノ粒子(LNP)・リポソーム生成チップ LNPSC
脂質ナノ粒子(LNP)・リポソーム生成チップ LNPSCは、Flow Focusing構造による流体集束と、ヘリンボーン溝による高効率混合を組み合わせたマイクロ流体チップです。溶媒中に溶解した脂質を拡散混合により微粒子化し、mRNA封入LNP生成を安定かつ簡便に行うことが可能です。接液部材はガラスおよびフッ素樹脂のみで構成されており、多様な溶媒条件に対応できます。
参考文献
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- Jung D, Jang S, Park D, et al. Automated Microfluidic Systems Facilitating the Scalable and Reliable Production of Lipid Nanoparticles for Gene Delivery. BioChip J. 2025;19:79-90. doi:10.1007/s13206-024-00182-y.
- Leighton LJ, Chaudhary N, Tompkins HT, et al. The design, manufacture and LNP formulation of mRNA for research use. Nat Protoc. Published online June 10, 2025. doi:10.1038/s41596-025-01174-4
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