三次元細胞培養・オルガノイド作製

オンチップ三次元細胞培養・オルガノイド作製へ

古典的な創薬では、前臨床試験のために動物実験と組み合わせた二次元細胞培養が使用されます。二次元細胞培養も動物試験も、人体における細胞の生体内微小環境を真に再現していません。
このような状況から脱却するには、生体内の状態を忠実に模倣したラボオンチップデバイスで三次元細胞培養(3D細胞培養)を行うことが必要です。この新しい創薬アプローチでは、動物実験を大幅に削減することによってコストを10分の1位に削減しつつ結果を10倍にも早く達成することができると期待されています。

このような生体内微小環境を再現するラボオンチップデバイス等を用いる動物実験代替法の革新的なアプローチは、がん個別化医療や再生医療の普及に貢献します。

 
がん細胞モデル構築アプリケーション例
①がん細胞の浸潤と転移

IC-Chip上にて蛍光標識されたがん細胞が化学誘引物質の濃度勾配に沿って細胞外マトリックスを移動する様子

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②がん細胞の溢出(遊出)

IC-Chip上にて蛍光標識された乳がん細胞(MDA -MB -231)がEnd3内皮細胞と相互作用し、内皮単層を介しIC-Chipのマトリックス流路部へ溢出(遊出)した様子

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参考文献

 
再生医療研究アプリケーション例
①心筋組織の形成

Tang et al., “Induction and differentiation of human induced pluripotent stem cells into functional cardiomyocytes on a compartmented monolayer of gelatin nanofibers.” Nanoscale, 2016, 8, 14530

生体親和性ナノファイバー培養担体膜とヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)のユニークな特性により、フラットまたは半球のhiPSCコロニーが各ハニカム区画で形成され、均質な分化がもたらされます。このように、hiPSCに由来する心臓やニューロンなど機能性細胞パッチは、in vitroで形成することができます。

PEGDA製ハニカムフレーム上に形成された単層ゼラチンナノファイバーは、少ない外因性接触と高い細胞間交換率で細胞を培養が可能にし、hiPSCコロニーが各ハニカム区画に均一に形成できます。 ROCK阻害剤Y-27632の処理時間を調整することにより、hiPSCコロニーの形状を平らな層から半球まで制御できます。hiPSCの誘導と分化は同じ膜上で発生し、均一な収縮を伴う良質な心筋層形成に至りました。

 
参考文献

  • Tang et al., “Induction and differentiation of human induced pluripotent stem cells into functional cardiomyocytes on a compartmented monolayer of gelatin nanofibers.” Nanoscale, 2016, 8, 14530. DOI: 10.1039/c6nr04545f